今回はED治療薬に対して第4のED治療薬として注目を集めるステンドラ(Stendra)についてです。
ステンドラは、アメリカのカルフォルニア州に本社を置く製薬会社のヴィーヴァス(Vivus)社が製造・販売するアバナフィル(Avanafil)を有効成分とするED治療薬です。2012年にFDAというアメリカ食品医薬品局(日本でいうところの厚生労働省)による承認を得て販売されています。
アバナフィルは日本の田辺三菱製薬という大手製薬メーカーが研究・開発をしていたという経緯があり、現時点で唯一日本で開発されたED治療薬と言えます。2001年に田辺三菱製薬がVivus社に対してアジアの一部地域を除く世界における開発及び販売の権利を許諾したことにより、Vivus社がステンドラを販売する形になりました。アバナフィルを有効成分とするものは2011年に韓国でゼピードラ(Zpeedra)、2012年に欧州でスぺドラ(Spedra)という名前で販売されています。
アバナフィルの特徴
有効成分のアバナフィルは、既存の三大ED治療薬と比較しても即効性があり、すべてのED治療薬の中で最も即効性に優れていると言えます。個人差もありますが、服用から約15分~30分で効果が発現し効果の持続時間が約5~6時間となり、レビトラの効果時間と近似していることからレビトラの改良版と呼ばれることもあります。2018年7月以降レビトラの供給が不安定なことからアバナフィルに変更される方も多く、即効性が欲しいという方や急なタイミングで性行為の機会が巡り、失敗できできない時の常備のためにと購入されます。
硬さからすればアバナフィルはマイルドな強さになるため、しっかりとした硬さについて気にされるのであればバイアグラをお勧めします。
ステンドラの効果
ステンドラの有効成分であるアバナフィルは三大ED治療薬の有効成分シルデナフィル(Sildenafil)、バルデナフィル(Vardenafil)、タダラフィル(Tadalafil)と同じくPDE-5(ホスホジエステラーゼ5型)阻害薬に分類されます。
性的刺激や興奮を受けると脳神経からNO(一酸化窒素)を供給する信号を出し、NOが放出されるとcGMP(環状グアノシン一リン酸)を生成します。cGMPは血管の筋肉である平滑筋を弛緩させ、血管が拡張するので血流を増加させる働きがあり、スポンジのような陰茎の海綿体に血液が流入し陰茎が膨張し硬度が増し勃起します。
勃起した状態が永遠に続けばうっ血し、壊死してしまうので、生体内では性的興奮が治まると勃起のきっかけとなるcGMPを分解する酵素であるPDE-5が活性し、勃起を治めます。
EDになるとNOの分泌が少ないという状況に加えてPDE-5が過剰に働き、勃起が起こりにくい状態です。アバナフィルはこの時PDE-5の働きを阻害しますが、これにより陰茎付近の動脈や陰茎の海綿体にある平滑筋のcGMPを増加させるので血管が拡張され、勃起が促されます。
アバナフィルの用量
ステンドラは50mg錠、100mg錠、200mg錠の3種類があり、他のED治療薬と比較すると用量が多いこともあり、効果や副作用が強いのではないかと思う方もいるかもしれません。しかし、薬剤は基本的には有効成分の違いによって用量が異なり、レビトラを例にとればレビトラ20mg錠を服用していた方はステンドラ200mg錠が相当量となります。そのため、200mgといっても過剰な量という訳ではありません。
食事の影響
アバナフィルは食事の影響を受けにくいとされているため、食後すぐに服用される方がいるかもしれません。しかし、ED治療薬全般で食事の影響に関して差は数%しかなく、どのED治療薬でも影響は受けます。
ステンドラの飲み方・服用
個人差にもよりますが、ステンドラは服用後約15分~30分で効果が発現するため、性行為の30分前くらいに水で服用することをお勧めします。効果の持続時間は冒頭にもある通り、5~6時間持続します。上記にもあるように食事の影響は全くないわけではなく、どのED治療薬も空腹時の服用が一番効果が発揮できる状態のため空腹時に服用してください。
もし、どうしても食事を挟む場合は食前・食後2時間空けてからの服用をお勧めします。ED治療薬は胃腸で吸収されるため、食事の残渣物が残った状態だと吸収が妨げられるため、効果が落ちてしまいます。油っぽい食事や脂肪分の多いものは胃腸の内壁に膜を張ってしまうので吸収しにくくなりますし、満腹になるまで食事をしてしまうと1時間や2時間を過ぎても胃腸には食事が残り有効成分は吸収されない可能性があります。アルコールに関しても適度な飲酒はリラックス効果を得ることができますが過度の飲酒は酩酊状態となるばかりか、EDの要因を増やしてしまいます。また、この状態でED治療薬を服用した場合、副作用を増長させてしまい危険ですので控えてください。
アバナフィルの1日の極量は200mgです。1日1回200mg錠を1錠水で空腹時に服用し、継続して服用の場合は服用間隔は24時間空けてから服用して下さい。
アバナフィルの副作用
副作用の発現は少ないと言われていますが、これも個人差があり全く副作用が全くないということではありません。他のED治療薬の血管拡張作用と同じように血流がよくなることで頭痛や顔のほてり、目の充血、鼻づまりなどが挙げられます。稀に視覚異常で光過敏や色覚異常が現れるかもしれませんが、いずれも重篤なものではなく薬効が消失するとともにおさまりますので過度の心配は無用です。また、頭痛に関してはロキソニンなどの鎮痛剤を併用できるので気になる方は服用しても問題ありません。
アバナフィルが服用できない方
重度の腎障害や肝障害をお持ちの方、人工透析中の方は服用できません。その他網膜色素変性症、多発性骨髄腫、白血病、心疾患などで手術を半年以内に行われた方は服用できません。常用の薬剤で併用できないこともあるため、医師と相談することをお勧めします。
インターネット通信販売や個人輸入代行業者での購入
ED治療薬に限らず薬剤を個人の判断で通販で購入することは大変危険です。こうしたWEB上で購入したものの中には、偽造品が混入していたり、別の成分が含まれていたという報告があるため、購入の際は自身の症状のことも含め、医師に相談し処方してもらいましょう。当院ではスタッフがすべて男性のため、お悩みに対する理解やプライバシーに関しても安心してご来院いただけます。
また、当院ではコロナウイルス感染予防を徹底しております。職員による手洗い、うがい、マスクの着用。院内の換気、消毒。電話でのオンライン診療(遠隔診療)での診察も行っております。
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