タダポックスとは
タダラフィルとダポキセチン、二つの有効成分を持つ
タダポックス(Tadapox)の製造販売元は大手製薬会社であるサンライズメレディス社によるものです。同社は今回のタダポックスの他にもED治療薬を幾つも製造をしており、アバナフィルとダポキセチンを組み合わせた「スーパーアバナ」などタダポックスの姉妹品も数多くあります。また、ED治療薬にとどまらず抗生物質や抗菌薬、睡眠導入剤、解熱剤、降圧剤、糖尿病治療薬など多岐にわたって国内外にジェネリック医薬品を販売しています。
タダポックスはシアリスの主成分であるタダラフィル(Tadalafiil)と早漏治療薬のプリリジー、ポゼット等に使われている有効成分ダポキセチン(Dapoxestin)との合剤です。効果も名前もタダラフィルとダポキセチンを組み合わせものになっており、EDと早漏症を同時に解決することが出来ます。男性にとっては夢のような医薬品との評判です。タダポックスの用量はタダラフィル20mg+ダポキセチン60mg錠のみです。ダポキセチンが効きすぎる場合はタダラフィル20mgとポゼット30mg錠を服用しましょう。
タダラフィルについて
タダラフィルは長時間作用する勃起不全治療薬です
タダラフィルはシアリスの有効成分です。PDE5(ホスホジエステラーゼ5型)阻害薬に分類されます。PDE5は膀胱や子宮などの平滑筋の血管に分布していて血管を収縮させる効果があります。タダラフィルはこのPDE5の働きを抑制して血管拡張作用を増大させます。男性器が勃起するためには一定量の血流確保が必要になります。しかし、加齢やメタボを要因とした血管障害などで勃起が全くできない、勃起力の低下、状態維持が困難などのED症状が起きてしまいます。これらの症状に対してタダラフィルは血管を拡張させて勃起力の改善を促します。タダラフィルは水に溶けにくいブロック構造のため、他のED治療薬よりも効果発現が遅くなる欠点がありますが、長く効果が持続し30時間以上勃起力を補助します。
ダポキセチンについて
ダポキセチンは射精コントロールをしやすくします
ダポキセチンはプリリジーやポゼットなどに含まれる有効成分でSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)に分類されます。元々は精神安定剤として開発がされていました。しかし、最近の研究で射精コントロールにダポキセチンが有効であるということが分かったために、早漏症治療薬として販売がされました。セロトニンは脳内物質の1つで気持ちを落ち着かせる効果があります。セロトニンは不安感や緊張感を司るノルアドレナリンという成分を抑制する働きもあります。早漏症の男性はノルアドレナリンの分泌量が多くセロトニンの分泌が少ないことが判明しており、ダポキセチンはセロトニンが再吸収されることを防ぐ事でセロトニンの量を増やし、ノルアドレナリンの分泌量を減少させ、脳内の射精中枢を刺激しずらくして射精時間を延長する働きを持ちます。ダポキセチンは服用してから1時間ほどで効果を発揮して2時間から5時間ほど持続します。
タダポックスの効果と副作用
勃起をしやすく、性行為は長く
タダポックスは勃起力と射精コントロールを同時に与えてくれます。タダラフィルの効果により、血管が拡張されて勃起がしやすくなります。みなさんご存知のバイアグラに比べて即効性はなく効果が出るまで1時間から2時間ほど要します。その反面、効果時間は30時間から36時間と長いのが特徴です、しかし、これは勃起力の維持時間であって、早漏治療効果は服用してから1時間ほどで効果を発揮して2時間から5時間ほどなので、多少の注意は必要です。射精コントロール力が低下してもタダラフィルの効果は持続しているので2回戦、3回戦を考える場合は気にならないかもしれません。
飲み方は性行為の1時間~2時間ほど前に水と一緒に服用して下さい。タダラフィルには食事による影響を受ける面もあるため空腹時に服用したほうがED改善効果を実感できるためお勧めです。胃の中に物が入っている時に服用した場合、最悪タダラフィルの吸収が阻害され効かないという可能性もありますのでご注意下さい。もう一つの成分であるダポキセチンは食事は影響ありませんが、アルコールとの相性があまりよくなく、副作用が現れやすくなる可能性があるため服用時の飲酒はできるだけ避ける事を推奨しています。
お酒を飲んだような感じが…
タダポックスの副作用もタダラフィルとダポキセチンと同じものになります。それぞれ作用機序(作用の仕方)が異なりますので別々の副作用が出ることがあります。タダラフィルは血管を拡張させる効果があるので、顔や全身の毛細血管が拡張される為に火照りや目の充血、頭痛などがあります。しかし、これらの効果は軽度の場合がほとんどで、お酒を飲んで体がポカポカする程度のものです。ダポキセチンは下痢や吐き気などが症状として挙げられます。これらの副作用は腸内にセロトニンが75%近く分布している為に発生します。しかし、ダポキセチンの副作用発生頻度は10%以下と低いので安心して服用できます。タダポックスを服用する際にコップ一杯程度のお水で飲む様にすることで副作用の頻度を抑えられるとされています。
タダポックスの服用にあたり
飲み合わせに注意
タダポックスは合剤という事もあり、併用が出来ないお薬が多くあります。タダラフィルは血管を拡張させる効果があるために高血圧症のお薬を飲んでいる場合は服用が出来ない場合があります。以前、タダラフィルを服用してアレルギー反応を起こした方や、ニトログリセリンなどの硝酸剤を服用している方も服用が出来ません。ダポキセチンはパキシルなどSSRIを服用している場合は休薬期間が必要です。また、抗うつ剤や睡眠導入剤との併用は出来ません。
お薬は医師の指導のもとで
ED治療薬は薬局では販売されていない為基本的に医療機関で処方してもらう事が当たり前でしたが、今やスマホやパソコンで簡単に購入が出来ます。しかし、そういったインターネット通販で流通する薬剤には偽物も多いとされるため危険です。また、医薬品は飲み合わせによっては非常に危険な場合があります。飲み合わせの問題やご自身の状況によって飲んで良いもの悪いものの判断は困難を極めます。飲み合わせなどで問題が起こらないように病院やクリニック等の医療機関に一度ご相談し診察を受けてから処方してもらいましょう。
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