ED治療薬のバイアグラ(Viagra)・レビトラ(Levitra)・シアリス(Cialis)の他に新たに第4のED治療薬として注目されている、米国では商品名『ステンドラ(Stendra)』、欧州では商品名『スペドラ(Spedra)』の有効成分である『アバナフィルAvanafil)』です。今回はアバナフィル(について効果や副作用、服用時の注意点をお話していきます。
アバナフィルとは
元々は日本の製薬会社が開発したED治療薬
ステンドラ・スペドラの主成分であるアバナフィルとは、既にあるED治療薬のバイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ(バルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)に比べより即効性に優れているED治療薬です。また、食事やアルコールの影響を受けにくくなっています。
元は日本国内の製薬会社である田辺三菱製薬によって開発された成分です。2001年2月にアメリカカルフォルニア州にある製薬会社Vivus(ヴィーヴァス)社が日本やアジアを除いた製造・販売の権利を田辺三菱製薬から譲渡され、2012年4月に主成分アバナフィルとするED治療薬『ステンドラ』が販売されました。
アバナフィル(ステンドラ)の用法・用量
主成分アバナフィルであるステンドラの成分量は50mg錠、100mg錠、200mg錠あり、アバナフィルを1日の用量は200mgまでです。アバナフィルは即効性が特徴的なのですが、マイルドなED治療薬ですので、200mgの服用を推奨いたします。
アバナフィルの効果・効果持続時間
アバナフィルの作用機序
アバナフィルの効果はバイアグラ、レビトラ、シアリスと同じPDE-5阻害薬です。勃起は性的興奮や性的刺激を受けることにより血管の拡張を促し陰茎の海綿体へ血液を流し込むことで勃起状態を維持させcGMP(サイクリックGMP)という酵素があります。PDE-5(5型ホスホジエステラーゼ)はこのcGMPを分解してしまい、勃起状態を維持することが出来なくなってしまうのです。アバナフィルはこのPDE5の働きを阻害することで相対的に体内のcGMPの割合を高め一時的に勃起を促してくれるED治療薬です。
アバナフィルの特徴
アバナフィルの最大の特徴は効果発生までの即効性です。バイアグラが効果発現まで30分から1時間程度かかるのに対してアバナフィルは個人差はありますが約15分ほどで効果発現します。また、食事の影響が受けにくいED治療薬というのも特徴の一つです。効果の持続時間は大体6~8時間持続します。
アバナフィルの服用方法や飲み方
基本的にはバイアグラと同じ服用方法
アバナフィルは15分で効果が出る即効性ではありますが、性行為に余裕を持ちたいのであれば20~30分くらい前に水又は白湯(ぬるま湯)で服用して下さい。脂肪分のある牛乳などで服用すると胃壁に膜を張り消化や吸収の妨げになりますのでご注意下さい。次回の服用までは24時間の間隔を空けてから服用して下さい。アバナフィルはシアリスと同様食事の影響を受けにくいとありますが、アバナフィルもシアリスも食直後は効果がかなり減弱しますので、全てのED治療薬は空腹で服用してください。
アバナフィルの副作用
一過性の症状で、お酒を飲んだ時の症状に似ています
アバナフィルは副作用の症状が発現しにくいと言われています。しかし他のED治療薬同様血管を拡張し血流を良くするためバイアグラ・レビトラ・シアリスと同様の副作用が確認されています。主な副作用は、「顔のほてり」、「目の充血」、「鼻づまり」、「めまい」、「動悸」、「頭痛」などがあります。このような症状は、急な血行促進によるもので発現しやすいですが、軽度の症状の場合が多いです。中には全く気にならないという方もいます。そのため「薬が効きはじめたサイン」と考えても問題ありません。また稀に一過性の視覚異常の症状が発現し、「まぶしい」、「いつもと色が違って見える」などの症状が出る場合があります。
副作用の殆どはアバナフィルの作用が消失すると症状も治まりますので問題ありません。しかし、症状が長時間経っても治まらないなどの場合は速やかに専門の医師に相談するようにしてください。アバナフィルは他のED治療薬同様、重篤な副作用は確認されていません。過度の心配はせず安心して服用してください。
アバナフィルの禁忌・併用禁忌薬
以下の項目に当てはまる方はアバナフィルを服用できませんご注意下さい。
アバナフィルは他のED治療薬と比べて併用禁忌薬が最も多い医薬品です。基本的に他のED治療薬と同じで血圧が下がりすぎる場合がありますので硝酸剤やニトログリセリン、塩酸アミノダロンなどです。バイアグラやシアリスで併用注意になっているCYP3A4阻害剤に加えレビトラで併用禁忌になっている一部の抗真菌薬、HIV治療薬のHIVプロテアーゼ阻害剤も併用禁忌となっています。
また、『不整脈や狭心症、心不全などの持病持つ方』、『低血圧や治療による管理のされていない高血圧症の方』、『重度の肝機能障害がある人』、『重度の腎機能障害者』、『人工透析を行っている方』、『過去6ヶ月以内に心臓の手術を受けたり、脳梗塞を起こした方』、『多発性骨髄腫・白血病・鎌状赤血球貧血などの血液細胞に問題のある方』、『変形ペニス形状の方』、『網膜色素変性症(夜盲症・視野狭窄)の方』これらの症状の方はアバナフィルを服用できませんのでご注意ください。ED治療薬を服用する際は必ず医療機関を受診し持病や使用中の薬剤が分かるお薬手帳などを持参して、医師の指導のもと正しく服用してください。
アバナフィルの通販(個人輸入)、ジェネリックについて
アバナフィルのジェネリックはあるのか?
アバナフィルは国内で未承認のED治療薬ではありますがすでに海外でジェネリック薬がございます。ジェネリック薬とは有効成分・安全性が同じで効果・副作用の効き目が同等のものである医薬品です。効果に安全性は同じではありますが、色や形に規定がなく服用しやすいよう形が小さかったり、服用して効果が出やすいよう溶けやすくなっている物などジェネリックを取り扱っている製薬会社によって様々な工夫がされております。アバナフィルのジェネリックも海外の方ではいくつか種類があるようです。
アバナフィルの通販について
知人、友人からの口コミやネットの反応で気になるアバナフィルのジェネリック薬を購入する場合、個人輸入や通販での購入はお気をつけください。海外などの輸入代行や通販での購入は偽薬品を買ってしまう可能性があります。通販や輸入サイトでは薬剤が同封されるパッケージ表示なのに実際に購入してみると別の箱に入っていたり違う形のお薬になっていたり、実際に服用してみると効果がなく健康面に被害をもたらすかもしれません。購入する際は正規の流通経路を持った医療機関で医師とご相談して購入するのが良いでしょう。
また友人、知人から興味本位で譲り受けて服用したり、実際に試してみて「効果があったから使ってみるかい?」と口コミして分け合うのも危険ですのでおやめ下さい。ED治療薬は医師の診断のもと服用する方に合うお薬をお出ししています。もし譲り受けた方が服用できない人だったり、譲ってもらった自分が5ヶ月前に心臓の手術を受けていて、まだ服用できる健康状態でない可能性があるためです。服用を考えているのなら医療機関で受診し医師とご相談の上服用することをお勧めします。金沢ユニットクリニックではED治療薬を各地域で最安値の価格で処方できるよう努めております。診察料はいただいておりませんのでお気軽にご相談下さい。
現在、当院では電話にて行うオンライン診療(遠隔診療)も行っております。遠隔診療について詳しくはHPトップをご確認ください。