AGA治療薬で最も知名度が高い薬は最初に発売されたプロペシア(フィナステリド)かと思います。フィナステリドは薄毛に繋がる原因である「5α還元酵素」という酵素の働きを阻害することで脱毛を抑えますが、フィナステリドの他にデュタステリドというもう一つのタイプの阻害薬があります。
2016年6月13日にGKS(グラクソ・スミスクライン)社から発売されたザガーロ(主成分デュタステリド)です。プロペシア、ザガーロ共にジェネリック医薬品がの処方が開始されています。
デュタステリド(Dutasteride)とは
ザガーロの主成分が、デュタステリドですが、実はザガーロから発売される前からデュタステリド製剤というものは販売されており、AGA治療においても使われていました。
以前から同社では全く同じデュタステリド製剤で「アボルブ」という商品名で前立腺肥大症の治療薬として販売されていましたが、前立腺肥大症の治療のため悪性の男性ホルモンを減らす結果、薄毛も改善するという事が分かったために、デュタステリドはAGA治療においても有効な薬である事が証明されました。
つまり「ザガーロ」も「アボルブ」も製造元、有効成分、用量が全く同じということになります。
アボルブとザガーロは全く同じデュタステリド製剤になり、デュタステリドの用量も変わらないので、効果効能に違いは全くありません。2009年にGKS(グラクソ・スミスクライン)は最初にアボルブを前立腺肥大症治療薬として登録し、販売を開始しました。デュタステリドがAGA治療において有効だという事が証明され、改めてAGA治療薬として登録し直したものがザガーロになります。なのでメーカーの都合によってパッケージが変わっただけなので、成分は全く同じデュタステリドです。効果効能に違いはありません。
ザガーロはジェネリック医薬品の処方が開始されていますので、価格の低いジェネリックの処方で治療を行いましょう。またAGA薬の単剤治療では高い発毛効果を得ることが難しいので他の薬剤を併用していく多角的な治療をお勧めします。
デュタステリドの効果
プロペシアの成分であるフィナステリドとデュタステリドはどちらも5α還元酵素阻害薬です。この5α還元酵素というものは薄毛や抜け毛のメカニズムに大きく関係しています。まず髪の毛を太くコシのあるものに育てる良性の男性ホルモン「テストステロン(TH)」があります。本来はいい働きをするTHですが、このTHが5α還元酵素(リダクターゼ)という酵素と結合する事によって、悪性の男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」というものに変換されてしまいます。DHTは髪の毛を細くして抜けやすくしてしまう働きがあります。
この5α還元酵素は、Ⅰ型とⅡ型という二つのタイプがあり、Ⅱ型は生え際や頭頂部に多く、5α還元酵素Ⅰ型は全ての毛根にあります。フィナステリドはⅡ型のみを阻害します。それに対してデュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方を阻害するので、フィナステリドより効果的な発毛が期待されます。
デュタステリドの副作用
デュタステリドの副作用はフィナステリドと同じで、性機能不全(リビドー減退、勃起不全、射精障害)等があげられますが、データとしては5%ほどのものなので、副作用が出る確率は非常に低いため安全と言えます。もしそのような副作用が出た場合でもED治療薬等で治療出来ますが、気になるようでしたら一旦服用を中止し、医師にご相談下さい。また初期脱毛という次の髪の毛を生やすために、古い髪の毛が抜け落ちる症状が起きる可能性もありますが、太くコシのある髪の毛を生やす準備による起きる症状なので、あまり重く考えすぎない方がいいでしょう。
通販・個人輸入による偽物にご注意下さい
デュタステリド製剤は数多く販売されていますが、インターネットの通販・個人輸入などで薬を購入するのは非常に危険です。流通の過程で有効成分が全く入っていないものにすり替えられたり、不純物が混入していて健康被害が出た報告も多数されています。注文してから到着まで2週間~1ヶ月程かかるので得策とは言えません。
金沢ユニットクリニック、ユナイテッドクリニック各院のオンライン診療をご利用いただければ診察後2~3日でお届けが可能です。クリニックでの処方なので品質も安心です。気になった方は是非ご利用ください。AGA治療は治療に時間もかかりますので、必ず専門クリニックの医師と相談した上で自分にあったAGA治療薬を処方してもらうようにしましょう。