シアリス(タダラフィル)はバイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ(バルデナフィル)に続きED治療薬として世界で3番目に開発されました。日本ではシアリスの10mg、20mgの2種類だけでなく、シアリスのジェネリック医薬品も販売されています。シアリスの持つ効果や特徴は絶大な人気を誇り、現在ではED治療薬のシェアがトップとなっており世界中の男性が愛用し、その良さを体験しています。シアリスは副作用が他ED治療薬に比べ一番少なく、またシアリスと頭痛薬は併用できるため多少の頭痛でしたら問題ありません。しかし、ネットでシアリスを調べるとシアリス50mg、シアリス100mg等といった文言が並ぶことがあります。これらはいわゆる偽物、偽造品です。正規のシアリスは20mgまでしか存在しません。今回はシアリスの効果・副作用や偽物の効果・偽物の副作用などについてお話ししていきます。
シアリスとは
シアリスはアメリカのイーライリリー・アンド・カンパニーより2003年から製造販売が開始され日本では2007年に認可され、世界100ヵ国で多くの男性に服用されているED治療薬です。世界で最も愛用されているED治療薬で、「Week End Pill(ウィークエンドピル)」として親しまれています。ウィークエンドピルと呼ばれる理由は『長時間作用型』であるためで、30時間から36時間と1日以上もの長い時間作用を続けます。つまり、金曜の夜に服用すれば日曜の朝まで効果が持続するのです。効果作用時間が長いからといって強い薬剤ではなくジワジワとマイルドに効くタイプのED治療薬です。バイアグラやレビトラに比べより自然な勃起を促すのと多くの服用者に見られる副作用である「顔の火照り」による赤ら顔になりにくいので、こういった副作用を気にされる方はバイアグラやレビトラよりもシアリスがお勧めです。性交渉は一般的に2人で行う事を考えると、赤ら顔などの目に見えるエチケットに配慮する欧米でシアリスが人気なのも頷けます。
シアリスの効果
ED治療薬は生活習慣病やストレスなど色々な原因で拡がりにくくなった陰茎の血管を拡張し、血液の流れを改善して勃起を助ける効果があります。ED治療薬が手助けする勃起は、性器の海綿体に血液が集まり固くなるという現象の事をいいます。 性的興奮をすると「環状グアノシン一リン酸」という陰茎の海綿体を緩ませる物質が形成され、血管が緩み血液が流れ込みその結果陰茎が硬直します。しかし、体内には「PDE-5」という「環状グアノシン一リン酸」を分解してしまう酵素が存在します。シアリスの主成分であるタダラフィルにはこの「PDE-5」の働きを阻害する効果があり、その結果「環状グアノシン一リン酸」の分解を妨げ勃起機能を正常に戻します。
バイアグラ・レビトラ・シアリスの違いは配合されている有効成分の違いで、分解酵素に対する阻害効果は変わらず勃起不全への作用は同じです。しかし、有効成分の違いで「吸収速度」「効果持続時間」「副作用」「食事による影響」などに差が出ます。シアリスの特徴で「効果持続時間」の他に「食事による影響」があります。
他のED治療薬、特にバイアグラは食事の影響が大きく食後に服用すると効果が減弱されます。それに対しシアリスは一番食事の影響を受けにくいです。具体的には800kcalまでの食事の摂取までは効果に対する影響は低いとされています。一般的な成人の摂取カロリーの目安は、だいたい1800kcal~2200kcal前後です。これはあくまで平均であり年代や普段の運動量によって前後しますが、800kcalであれば1食で摂る量としては満足な量ではないでしょうか。
牛丼並 約680kcal
牛丼大盛 約850kcal
かけそば 約300kcal
カレーライス 約900kcal
この様に手軽に食べられる食事のカロリーを見ると腹7分目で抑えるのが良さそうです。しかし、シアリスの効果発生までの待機時間が1時間から2時間と長くあるため、予め朝起きた時にシアリスを服用してしまうのも選択肢としてあります。また、他のED治療薬(バイアグラ・レビトラ)に比べアルコールの影響は少ないとはいえ、受けることには変わりがないのでアルコールの摂取は控えることに留意してください。
シアリスの副作用
薬剤全般に言える事で気になる部分として副作用は確認しておきましょう。シアリスの副作用は調査機関の発表によりますと被検者の27.2%に副作用が確認されました。主な副作用の症状は頭痛、顔の火照り、消化不良が挙げられました。他には他のED治療薬と同様に頭痛や動悸、鼻詰まりなどが確認されています。顔の火照り、動悸に関しては前述の通り血管拡張効果により、血流の増加によるものなので効果が現れた際の目安程度に考えてください。
頭痛に関しては抗炎症作用のある鎮痛剤ロキソニンを併用することで対処が可能です。ED治療薬は空腹時に服用するのを推奨されますが、ロキソニンは空腹時に服用をすると胃粘膜を荒らすことがあります。なるべく空腹時にロキソニンを服用するのは避けるように案内がされているため、頭痛が副作用として起こってしまった場合はED治療薬・ロキソニン・胃腸薬をセットで服用する事を推奨します。当院でも頭痛薬を処方いるため気になる方は一緒にお求めください。鼻詰まりも重篤な症状に発展する可能性は高くは無いのですが、長時間に渡り鼻詰まりが続き鼻水が出るなどの症状が長引く場合は内科、耳鼻科などの専門医に受診相談を受けてください。
効果時間が長いシアリスですが、服用後1時間ほどで副作用が発生しそこから3時間程が一番強く副作用が強く感じると報告があります。その後も副作用はシアリスの効果時間中は副作用も継続しますが、他のED治療薬(バイアグラ・レビトラ)に比べ副作用の発現率・副作用の強さともに抑えられているので、ピークを過ぎた頃には個人差もありますが副作用自体気にならないといった体験談も多く聞かれます。
シアリスの50mg、100mgについて
日本では2007年からシアリスの販売が開始され、有効成分「タダラフィル」を含む5mg、10mg、20mgの3種類が販売されています。そのため、シアリスの50mgや100mgという用量は存在せず、明らかな偽造品という事になります。こういった偽物・偽造品は正規の手段を取らずに個人輸入で購入した際に半数以上は偽物が混入すると言われています。また、こういった偽物は成分・材料が全くの不明であり人体に悪影響の有るものが含まれている可能性が高いので、安価であるというだけで個人輸入代行業者から得体の知れない薬剤を購入するのは絶対にやめましょう。お金だけではなく健康すらも失いかねません。
ED治療薬には1日に服用出来る量(極量)が設定されています。シアリスに関しては1日20mg。これを超えると人体に悪影響を与え健康を損なう可能性があるので気を付けて下さい。ED治療薬を始め薬剤は正しく使うことで健康に過ごす助けになるので用法用量は必ず厳守してください。
ED治療薬にも他の薬と同様に併用禁忌の薬剤があるので必ず医師に確認の上、処方を受けるようにして下さい。心臓病、高血圧症などの方、薬剤アレルギーのある方も必ず医師の診断の上での服用をするようにして下さい。