今回は、ED治療薬であるレビトラやレビトラジェネリックの有効成分である「バルデナフィル」について詳しい説明していきます。
バルデナフィルとは
バルデナフィル(Vardenafil)とは、1863年創業のドイツのイルトライン=ヴェストファーレン州レバークーゼンに本社を置くバイエル社(独:Bayer AG)が世界で2番目に製造・販売されたED治療薬「レビトラ」の有効成分です。2003年に米国で販売されて、国内では2004年6月に厚労省から承認取得をし販売されました。
バルデナフィルの正式名称は、「塩酸バルデナフィル水和物」と言い、水に溶けやすい性質をしているため他のED治療薬(バイアグラ、シアリス)よりもバルデナフィル(レビトラ)は、即効性があります。バルデナフィルは、服用すると約15~30分ほどで効果が現れ始めて、約5~8時間ほど効果が持続します。食事とアルコールの影響もシルデナフィル(バイアグラ)よりは影響を受けにくい性質をしているので、シルデナフィルの改良版と言われています。
バルデナフィルの作用機序について
勃起は、心理的や物理的な刺激を受け大脳が興奮状態になることで陰茎が勃起ます。興奮する事で神経が、脊髄を通って勃起中枢に伝わり陰茎海綿体内に神経が届きます。海綿体に神経が届くことで、陰茎海綿体内に一酸化窒素(NO)が放出され、勃起を促すのに必要不可欠な「cGMP(環状グアノシンーリン酸) 」が増加し陰茎に大量の血液が流れ込み硬く太くなります。そして、射精もしくは性的興奮が収まることで、PDE-5という酵素がcGMPを破壊し通常の陰茎の状態に戻ります。
バルデナフィル(レビトラ)などのED治療薬は、PDE-5阻害薬(ホスホジエステラーゼ5阻害薬)に分類される薬剤です。EDの主な症状として、勃起を促すcGMPが減り、相対的にPDE-5が多くなることで筋肉が緩まず血管が広がらないため陰茎海綿体内に血液が流れず勃起不全になります。ED治療薬は、PDE-5を阻害することでペニスに大量の血液を流れ込みやすくさせることで勃起を促します。
バルデナフィルの副作用について
バルデナフィルの副作用の主な症状として、「顔のほてり、目の充血、頭痛、鼻づまり、光に敏感になる」などの症状が現れる場合があります。しかし、「顔のほてり、目の充血」はバルデナフィルが効果が身体に発現している合図となります。「頭痛」のせいで性行為に集中できなかったり症状が酷い場合は、市販の頭痛薬と併用することが可能です。バルデナフィルの効果が持続する約5~約8時間を過ぎても副作用が続く場合には、専門の医師にご相談してください。
バルデナフィルが有効成分であるレビトラの国内臨床試験では、5mg、10mg、20mgのレビトラを投与した総症例が913例あり、その内の257例(28.15%)に副次的な作用が報告されています。主な症状は、「顔のほてり143例(15.66%)、頭痛51例(5.59%)、鼻づまり27例(2.96%)、心悸亢進27例(2.96%)」がありました。
バルデナフィルの併用禁忌について
バルデナフィルには併用禁忌があり下記に該当する方は、服用することができません。
・バルデナフィルに対してアレルギー(過敏症)の方
・塩酸アミオダロンを投与している方
・脳梗塞、心筋梗塞、脳出血などを6ヵ月(半年)以内に症状が起こってしまった方
・狭心症の方、HIV治療薬、抗真菌薬などを現在投与している方
・硝酸剤を現在投与している方(硝酸イソソルヒド、ニトログリセリン、亜硝酸アミル)
・重度の肝障害や腎障害をお持ちの方
・網膜色素変性症患者
・治療による管理がされていない低血圧の患者(最大血圧90mmHg未満もしくは最小血圧が50mmHg未満)
・治療による管理がされていない高血圧の方(安静時収縮期血圧170mmHg以上もしくは最小血圧が100mmHg以上)
レビトラ(バルデナフィル)などのED治療薬を自身の判断で服用することはお勧めできません。必ず服用する前には、専門の知識がある医師に相談してから服用してください。
ED治療薬の通販・個人輸入について
バルデナフィル錠は、「レビトラ」が有名ですが、海外では「バリフ」などのバルデナフィル製剤も有名です。バルデナフィル製剤は、錠剤のタイプだけではなく、ゼリー状の薬剤もあります。現在バルデナフィル製剤などを通販・個人輸入で入手している方がいますが、価格が激安な通販・個人輸入の薬剤は、約6割もの薬剤が有効成分が入っていない模造品や偽物であるということが報告されています。正規の流通路で輸入されていない薬剤を服用して、人体に悪影響を及ぼしたという例もあります。また、併用禁忌薬や併用注意薬があるため、ご自身の判断での服用も大変危険です。ED治療薬を入手したい場合には、正規のルートを持ち専門の医療機関で知識のある医師に併用禁忌薬などの安全を確認してもらってから服用するようにしてください。